伝統の伝承を願って

河合町の伝統工芸品「山中和紙」の原料となる
コウゾの皮むき作業が始まりました。

山中和紙は約800年の伝統を誇る製法を伝承しており 
「虫が付かない」「風化しにくく1000年は持つ」といわれ 
今日 京都を初め全国各地の文化財の修復などに重宝されています。

大正9年には約100戸の和紙生産農家が今では僅か2件となってしまい
この連綿と続く歴史をつないでいます。

夏場はコウゾを育て、
初冬に刈り込み、
和紙の原料まで仕上げる「コウゾ作り」の仕込をし 
深雪にコウゾを晒て漂白し、寒の内に漉きいます。

冬場の紙は品質が良く 
紙漉に必要な「ねべし」(コウゾの繊維を接着するもの)は
冬場が一番適しているため、 
強い紙を漉き上げることが出来ると言われています。

今年はコウゾが豊作で 
約1000アールの畑で収穫した4トンのコウゾは
早速、早朝から釜炊き作業が始まりました。

地元 河合町の保育園、小中学校では 
自分で漉いた山中和紙で卒業証書を作成します。

冷たさや難しさを体感して作り上げた和紙を、
3月、卒業証書として受け取る子どもたちの感動は
何にも換えがたいものがあることと思います。

来年、河合中学校は古川中学校と統合しますが 
こうした ここでしか出来ない心に残る機会が
失われずに続いていくことを心より願っています。


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