名月に寄せて

昨日は中秋の名月。
みな様は綺麗なお月様をご覧になられましたでしょうか。

飛騨はあいにくのお天気で 
残念ながら お月様に会うことができませんでした。

中秋の名月の晩に雨が降って見えない月を『雨月』といって
その晩は月明かりを想像して楽しむのが風流だそうです。

今日は月の兎のお話です。

月の影の模様が兎に見えることから、
「月には兎がいる」という昔話ご存知ですか?

むかしむかし 猿、狐、兎の3匹が、力尽きて倒れている老人に出逢いました。
3匹は老人を助けようと それぞれの知恵を絞って考えたそうです。

猿は木の実を集め、狐は川から魚を捕り、老人に食べ物を与えました。
でも兎だけは、どんなに苦労しても何も採ってくることができなかったのです。

自分の非力さを嘆いた兎は、何とか老人を助けたいと考え、
猿と狐に頼んで火を焚いてもらい、
なんと自らの身を食料として捧げるべく、
火の中へ飛び込んだのでした。

実はその老人は、帝釈天という密教の守護神。

兎の捨て身の慈悲行を後世まで伝えるために、兎を月へと昇らせたのだそうです。

この伝説は、『今昔物語集』などを始めとして今でも多く語られています。

おしまい。

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