民家フォーラム2010 in飛騨

『日本民家再製協会』主催の民家フォーラムが 
今年、飛騨市で開催されました。

幾世代にもわたり風雪に耐えてきた日本の民家が、
経済や社会構造、生活様式の変化のなかで取り壊され、
失われようとしています。

伝統的な日本の民家は、地元に育った木と地域の人々の技術で造られた住いで、
いわば「日本の住文化の結晶」。
そんな宝物が 古川の街並にはたくさん残っています。

細い出格子をはめ込んだ2階家の軒が直線に続き
造り酒屋のひときわ白い蔵が丹精に続く古川の街並。

司馬遼太郎は「街道をゆく」のなかで
「ともかくも古川の街並には見事なほど気品と古格がある」と評しています。

飛騨を治めた金森さまが高山よりも先に作ったといわれるこの町は
壱之町、弍之町、三之町などの街並や祭りに見られるように
2つの町は兄弟のように似ていますが 
明らかに違う点は 急ごしらえなお土産屋さんやコンビニがないこと。

古川には 「相場くずし」という言葉があり
周囲に不調和なもの、という意味でこれを嫌います。

この街並も行政が規制しているわけではなく 
その時代の飛騨の匠たちが競って建てるのですが 
家主ともども 相場を崩さぬよう デザインや格好を考えます。

町が整然として見えるのは そういった一人ひとりの意識の元 
『自分たちの町』という思いが強からだと思います。

こんな古川町民の気質を頭に思い浮かべながら
街並を散策していただけたら
また違った古川の表情をご覧いただけるのではないでしょうか。

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